コラーゲンといえば美肌に効果がある成分として有名です。
ところが、近年の研究の結果、コラーゲンには免疫力を高める働きがあることがわかってきました。
免疫力とは、一言でいえば病気にならないようにする体の防御機能のことです。
お肌に優しいコラーゲンが健康にもよいとはどういうことなのでしょうか。
もともと人間に備わっているコラーゲンは、皮膚の弾力や強度を増すために働いています。
これが減少すると、皮膚がたるんで見えたりしわが目立つということになります。
ですから、これ以上体内から減らさないように、意識的に多く含む食べ物やサプリメントなどで補う必要があります。
ところで、免疫力というのは免疫細胞が欠かせないのですが、外から入ってきた有害な物質を攻撃してくれるマクロファージは、攻撃と同時に消失していきます。
マクロファージが少なくなっていくと、やがて有害物質のほうが優位になってしまい、体調に影響を及ぼすのです。
このマクロファージの活動に、高分子コラーゲンが非常に有効であることがわかってきました。
一般的に美容目的で使われるのは「低分子」、吸収率や吸収スピードを速めるために、人工的に分解したものです。
免疫力に効果があるとされているのは、手を加えていない高分子のものです。
動物由来のものを直接取るほうが、免疫にとっては効果があるといえます。
低分子と高分子、どちらのものもバランスよくとることで美容と健康の両方に良い働きを期待できるといえます。
免疫力をアップさせると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
一般的には風邪をひきにくくなる、ウイルス性の疾患、例えばインフルエンザやノロ、ロタといった胃腸炎にかかりにくくなるくらい、と思われていますが、実は免疫は非常に重要な役割を担っています。
日本人の二人に一人はかかるといわれているガンにも、免疫は欠かせないものです。
というのも、ガン細胞は体の中でつくられる「有害な異物」です。
通常、健康な人でも細胞分裂の際にうまくいかなかった異質な細胞がいくつかは生まれています。
免疫が正常であれば、ここで「この細胞はいらないものだからやっつける」とすぐに破壊されてしまい、問題はないのですが免疫が低下していると、そのチェックをすり抜けてどんどんと悪い細胞が増殖してしまうのです。
マウスによる実験では、ガン細胞を植え付けたマウスにブタ由来のものを投与したところ、増殖が抑えられたという報告もあります。
健康的な生活を送るためには免疫効果にも注目していく必要があるようです。